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鉄骨造に多いアスベスト
date_range2025/1/18
text_snippet店長のつぶやき
鉄骨3階建て62坪の家
現在、ご相談して頂いているお家。
1階は倉庫兼・駐車場兼・孫の遊び場。2階・3階が住居部分になっている建物。
その家に住む息子さん夫婦からリフォーム工事の相談がありました。(内容は下記)
「高齢の母(91歳)と同居していますが、母が他界してからの家の活用法に悩んでいる」
「近々リフォームしたい!建て替えたい!でも一番の問題は、この家にアスベストがあるんです」
この家は木工所を経営していたお父さんが、昭和40年代に建てられましたが、今は他界された為残されたお母さんと相談者のご主人家族で同居。また、近所に娘さん家族がお住まいになれていてしょっちゅう家に来て、子ども達5人を1階部分でよく遊ばせているんだそう。
建物自体は定期的なメンテナンスがされていて
そこまで問題はなかったのですが、子ども達が
遊ぶ1階の天井部分に大量のアスベストが吹付
けられ…むき出し状態になっていました!
実際成分を専門家に調べてもらわなければ僕にも わからない。(似た材料もあり、見た目では判断できない)
きっと、2階・3階の天井裏に隠れていると推測。
アスベスト含有建材は写真のようなもの以外にも、壁材や床材等、様々な建材に昭和初期から多く使われるようになりました。その理由は、安くて軽くて燃えにくく断熱性が高い等、建物にはピッタリの材料だったからです。当時は人体に影響があるとは知られてなかったので、一番危険度が 高い吹付工法で施工されることが多く、特に鉄骨造によく使用されていました。(耐火と断熱のため)
アスベストの人体への影響は?
・石綿肺:肺が繊維化して呼吸困難になる ・肺がん:喫煙者ほど発症率が上がる
・悪性中皮腫:など吸い込んですぐ病状は出ないが20~40年後に発症するケースが多い。
最近やっとアスベスト含有1%を超える建築資材は建物に使えなくなりました。また、2006年までに建てられた建物すべてが、リフォームや解体する際、事前にアスベスト調査(有料)対象になりました。これを読んでくださってる多くの持ち家の方が該当すると思います。調査費用はもちろんですが、含有材料が使用されてる場合は、リフォームも解体コストも上がってしまいます。
ご相談もらったこの住宅の調査結果は、アスベスト含有。建替え前提で考えると、解体には近隣・人体への飛散防止対策と、施工計画書を国に申請するだけで50万ほど必要になり、撤去処分するのに300万ほどかかることが判明。(市から補助金が100万円受けられます)
結果...建物自体は建替えやリフォームするほど傷んでいないので、ゆっくり計画を進めていきましょう。それよりも、子ども達に悪影響がないよう、アスベスト除去のみされてはと提案させていただき、まずは除去のみされることを承諾いただきました。 自分たちのリフォームの話をいったん白紙にされ、相続する次の世代へ、負の遺産を残さないと いう決断されたことが、僕には嬉しかったです。