更新記事
UPDATE
ジェントル通信vol.53より:ジェントルワークが出来た理由
date_range2025/10/01
text_snippetブログ
私は大工として26歳のころに独立し、それから約10年間、新築戸建て・マンション・店舗の下請け大工として働きました。
新築着工棟数は平均で年間20棟近く建てていたので計算するとかなりの数になります。
当時は建売住宅の受注がとても多かったため、お客様が現場を見に来られることはなく、元請けの工務店もあまり来ない…。誰も見に来ない現場で図面とにらめっこしながら黙々と作業をする日々。
お客様の要望や家族構成は分からないものの、図面記載されている窓の高さやドアの方向、収納の用途や使い勝手など、実際造っていくとそれでも変更した方が良い部分があることに気付くことも多かった。 元請業者に連絡すると
「大工さんに任せます」
の一言で終わることも多々あり、そういった類のことが何年も続くと
「お客様の声が直接届かない家を建て続けることの虚しさ」
を感じるようになった。私以外にも本来の目的を見失いそうになっている職人さんはいっぱいいるんじゃないのか?とも思うようになった。
「建売システム」は、お客様にとっては安く早く家を手に入れられ、大工にとっては安定的に仕事ができるというメリットはあるけれど、結果「実際住んでみると住みにくい家」だったら、お客様も大工も結局本当に幸せにはなれないよな…と日に日に疑問が募っていくばかり。
「本当にいい家とは?お客様の満足とは?」
「職人さんにとってやりがいのある仕事とは?」
を自問自答しながら家を建て続け、10年がたった。
このまま、大工をやっていてもいいものか…
そこで、大工として家を建てるのが大好きだった昔の自分を取り戻すべく、「工務店を自ら営む!」 と35歳のころに一大決心。(現在は43歳)
私が真ん中に入って、現場で働いていてくれている職人さんの声にも耳を傾け、お客様の希望を家にしっかり反映させる。
お客様と職人さんと私が、距離の近い工務店。
それがジェントルワークです。